建築総合サービス業 株式会社トーケン

会長室だより

「思いやり」 「人を大切にする心」

2021年4月1日

今年も5名の新入社員を迎えることとなりました。新しい仲間が増えることを心よりうれしく思います。若い皆さんを迎えるにあたり、私の想いをお伝えしたいと思います。

 

私事ですが、思い起こせば今から57年前の遠い昔、私は、富山駅発の東京行き夜行列車に乗り、清水建設の入社式に向かいました。今の皆さんには、想像もできない光景だと思います。駅の構内には、家族や友人など多くの人が駅まで見送りに来てくれており、「根上!頑張れよ!」「体に気を付けてね!」と社会人への門出を励ましてくれました。昔の演歌「ああ上野駅」という、就職のため上野駅に降り立ち、東京で生活を始めた若者の心情を歌った歌がありました。私の場合は就職列車ではありませんでしたが、当時付き合っていた女の子が、駅の電柱の陰から見送ってくれたことが走馬灯のように思い出されます。まだ18歳だった私の淡い青春時代です。

 

「手を振りて 旅立つ吾子に 春の風」 

私が故郷八尾の家を出発した時の光景を、当時「母」が句を詠んでくれました。父母や家族、そして友人などたくさんの人からの愛情をたっぷりと注いでいただいての船出でした。

列車は早朝に上野駅に到着し、まだ3月の肌寒い朝の駅は白々しい空気が漂っており、何かとてももの悲しさを感じました。やはり故郷を離れる寂しさがあったのでしょうか。自分はこんな都会で本当にやっていけるのかという不安、そして、田舎の八尾の暮らしから日本の中心である東京生活への戸惑いと緊張の中で、複雑な心境でした。

東京町田の寮での研修生活が始まりました。夢中で過ごす中で、精神的なものか、水が合わなかったのか、研修2日目に体調を崩して研修を1日休むという情けない思いをしました。その時に先輩から受けた有難い言葉は今でも忘れられません。「これからの人生は長い、無理をしたらアカン、今日は休みなさい。」と、やさしく諭してくれました。10日間の研修も終わり、いよいよ4月1日の入社式では名古屋支店への配属が発表され、新幹線で名古屋に向かいました。名古屋支店配属の大卒・高卒併せて20名の新入社員と顔を合わせるとようやく緊張も解け、私の清水マンとして真のスタートとなりました。独身寮の事や配属現場での事なども明確に覚えています。この独身寮には親切な寮母がいて、新生活のスタートにあれこれ気を遣い、やさしく声を掛けてくれました。こんな親切な人に恵まれ、本当に有難いことと感謝するばかりでした。

 

社会人スタートにあたり、皆さんの心境はそれぞれだと思います。私の場合は、緊張と不安の中、期待よりも早く慣れること、そして毎日が経験した事のない新しい出来事の連続であり、何よりも戸惑いの中での社会人スタートであったような気がします。そうした中での先輩からの温かいアドバイスや教えは、どれほど有難く私の心を癒してくれたことか。その感謝の気持ちが、生涯その人を大事にしたいと思うほどに「人の親切」の有難さを知ることとなりました。その後の人生に於いて、私は「人を大切にする」「思いやりの心」「感謝とお陰様の心」などの人間学を学び、人間形成に努めていくこととなります。本当に「親切な良い方々に恵まれた」と、心から感謝する毎日でした。

新入社員の皆さんを拝見し、溌剌とした若々しい姿を見るにつれ、当時の事が走馬灯のように思い出されます。先輩社員の皆さんには、同志・仲間として、「思いやりを大切にする」気持ちで新入社員の皆様に接していただくよう願うとともに、これから新たに社会人として歩みだす皆さんの今後の成長を心よりお祈り申し上げます。

 

代表取締役会長 根上 健正

 

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