愛情をもって育む
2025年4月14日
今年度は新入社員三名を迎えることができました。
人財不足と言われる中、毎年新しいメンバーが加わってくれることは本当に有難く感じます。
私も仕事を通じ、息子のような年頃のメンバー達に新鮮な刺激を受けながら、親心のような気持ちで指導をしています。
私事ですが、昨年の春、末息子が就職し社会人となりました。
私としては「この甘やかされて育った息子は本当に社会人としてやっていけるのか」
「体や精神面は大丈夫か」「辛抱はできるのか」などの不安を抱えながら、唯々、見守ることしかできませんでした。
何とか1年間は不満も言いながらも何とか頑張ってくれたようで一安心しました。
しかし、長男が新卒で就職した時には、あまりの長時間に渡る激務を強要され、
入社1年を待たず、体調を崩して退社に至ったことがありました。
その時に感じたことは、
親として何もできなかった無力さと、
人を物としか見なかった就職先への怒り、
そして、息子に対して申し訳ない気持ちがありました。
今年入社された新入社員たちの親御さんも、
私と同じような不安な気持ちを少なからずお持ちではではないでしょうか。
私は同じ親として、社会人になったとは言え、
大切なお子さんをお預かりしていると思っています。
今の時代、私が社会人となった35年以上前とは比べられないくらい
環境が変わり、社会的価値観も大きく変わりました。
私が新人の頃の
「仕事は見て覚えろ、夜間残業、休日出勤は当然」と、
厳しい環境の中、何の疑問も持たずに働いていた事を思い出します。
そんな放任主義的な価値観で育った私は、
「成長するには厳しい環境でなければならない」と偏った考えをしていました。
又、仕事をする本当の目的すら考えていなかったように思います。
年齢を重ね、自身の後悔と反省を踏まえながら、今は新しい価値観の必要性を感じています。
時代は変わりました。
新人を人財に育てる為には、
まずは「育てる環境」を整えることが大切だと思います。
新人を植物に例えるなら、
種から芽が出た状態です。まだまだ弱い状態です。
大事に育て、花を咲かせるか、
途中で枯らしてしまうのか、「育てる環境」で決まります。
私が経験してきた放任主義な環境では、すぐに枯れてしまうと思います。
育てる側には、相手を思いやり、自分の価値観を無理に押し付けず、
相手を否定する態度や言葉は絶対にNGです。
例えミスをして叱るにしても、
愛情を持った態度で接しなければなりません。
自分で気付き、行動できるまで、辛抱強く見守ることが必要なのです。
誰しも最初からできる人間はいないのですから。
当社には新人教育を目的とする「社内アカデミー」があります。
約半年間に亘り、現場での実地作業経験や、専門の協力会社様からの講習、
その他多くの先輩社員が講師となり、様々な学びが得られます。
私も毎年、講師として参加させて頂いていますが、
毎年内容がより充実していくのがよく分かり、大変素晴らしい研修だと思っています。
全社を挙げて、これだけ時間や労力をかける新人研修は
大企業であろうと無いのではないでしょうか。
それだけわが社は「人を大切に思い、育てる意識が高い」と言えます。
それは、当社が取り組んでいる「人を大切にする経営」により、
従業員や顧客、地域社会など、自社に関わる人々の幸せを追求する経営に基づくからです。
最後に、私たち社員の、仕事における目的は
「人の役立つことで、自身が幸せになること」です。
その為には、社員が互いに
「相手を受入れ、認める、感謝する、助け合う」
そのようなことが自然に浸透することで、
社内だけでなく、関わるすべての人々に対して
「感謝の言葉」が飛び交うような、そんないい会社になると信じています。
T.H.